2019.9.21
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採用・育成

ミレニアル世代のリーダー育成における6つの重要キーワード

(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)
(写真=Pressmaster/Shutterstock.com)
ミレニアル世代のリーダー育成は、多くの企業にとって非常に重要な課題の一つです。「ワーク・ライフ・バランスを重視し、転職志向が強い」と言われるミレニアル世代から、いかに効果的にリーダー候補を育成するか。様々な調査結果から、成功のキーワードを探ってみましょう。

今後3年で主要な労働力がミレニアル世代に移行

主要な労働力は、定年退職を迎える、あるいはすでに迎えているベビーブーマー世代(ピュー研究所定義、1946~1964年生まれ)と、昇進期を迎える、あるいはすでに迎えているX世代(1965~80年生まれ)から、ミレニアル世代(1981~1996年生まれ)へと移行しつつあります。

HRプロフェッショナル・サービス企業AONは、「今後3年間で職場における世代交代が加速し、ミレニアル世代が主要な労働力となる」と見込んでいます。また、ピュー研究所の調査によると、すでに米国ではミレニアル世代が最大の労働力となっており、「2025年までに全体の75%以上を占める」と予想されています。

ミレニアル世代が職場で重視する9つの要素

典型的なベビーブーマー世代やX世代が、職場において「責任」「勤勉」「成熟」を重視するのに対し、ミレニアル世代は「信頼関係」や「コミュニケーション」を含む、以下の要素を重視していることが、複数の調査結果で明らかになっています。
  1. コミュニケーション
  2. 信頼関係
  3. 価値観の共有
  4. ワークライフバランス
  5. メンターシップ
  6. 変革的リーダーシップ
  7. コラボレーション
  8. 目的、ソーシャルグッド(社会にポジティブな影響を与える活動)
  9. テクノロジー
特に、信頼関係はミレニアル世代にとって重要課題であり、回答者の83%が「職場における関心事」としています。

ミレニアル世代の理想のリーダーシップとは?

ミレニアル世代は、リーダーシップに関しても独自の価値観や理想像を持っています。

HR専門家向けアドバイザリー、Workplace Trendsが2015年に実施した調査によると、412人のミレニアル世代の91%が「将来リーダーになりたい」と回答するなど、自らチームや組織を率いる責任を負うことに対し、積極的な姿勢を示しました。そのうち52%が女性であることから、この世代にはキャリア志向の強い女性が多いことがわかります。

半分近くのミレニアル世代が「リーダーシップとは、他者を成功に導くもの」と定義しており、43%がその定義をリーダーのモチベーションとして挙げました。「お金」と答えたのはわずか5%、「権力」と答えたのは1%です。

自分がなりたい理想のリーダー像として、63%が「変革的なリーダー」を、43%が「他者に力を与えるリーダー」を挙げています。変革的リーダーシップとは、組織が持続的な成長を目指す上で必要とするビジョンを共有し、従業員の潜在能力を最大限に引き出すことで、変革を実現する力を意味します。

ミレニアル世代をリーダーに育てる6つの重要キーワード

リーダーシップに対する意識や価値観から、ミレニアル世代のリーダー育成で重要なカギを握るキーワードが見えてきます。

 1.未来のリーダーの確保と維持

ベビーブーマー世代やX世代と比較して、ミレニアル世代は一つの職場に固執する人が少ないと言われています。企業は、未来のリーダー候補の定着率を高めるために、これらの人材のモチベーションを維持し、ビジネスパーソンとして成長させる育成環境を整える必要があります。

 2.メンターシップを発揮できるマネージャー

これまで部下の育成はマネージャーが担っていましたが、「ミレニアル世代を育てる役割は、メンターのほうが向いている」との指摘があります。前述したミレニアル世代の描くリーダー像から推測すると、この世代は、より大きな目的意識を植え付け、成功に導いてくれるリーダーを強く求めています。今後は、メンターシップを発揮できるマネージャーが不可欠になるでしょう。

 3.変革的なリーダー

ミレニアル世代のインスピレーションを刺激しモチベ―ジョンを上げる、確固たるビジョンを持ったリーダーの存在は、行動や思考にポジティブな影響を与えるロールモデルとなるはずです。

 4.社会にポジティブな影響を与える活動

多くのミレニアル世代は、自分の価値観だけでなく「社会にポジティブな影響を与える組織に貢献したい」という願望を持っています。

フォーチューンの「世界で一番働きがいのある企業」に選ばれたセールスフォースやヒルトン、ワークデイといった企業は、従業員の社会貢献活動を積極的に支援しています。

 5.テクノロジーを駆使した育成環境

デジタル・ネイティブと言われるミレニアル世代は、オンデマンドによるテクノロジー主導型の職場環境で、仕事を効率的にこなすスタイルを好みます。

育成トレーニングにも同様の手法を取り入れ、ミレニアル世代が必要に応じて自分のペースで学習できる環境を提供しましょう。

 6.率直なコミュニケーション

スマホやインターネットといったテクノロジーの発展により、友人や家族と頻繁にコミュニケーションを取ることに慣れているミレニアル世代は、職場においても率直なコミュニケーションとフィードバックを高く評価します。

「リーダーになるための指導を十分に受けていない」と感じているミレニアル世代は少なくありません。ミレニアル世代の特徴を十分に把握した上で、効果的な育成プログラムやトレーニングを提供するようにしましょう。
 

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