2019.9.19
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人事評価

パフォーマンス評価でよくある8つの盲点と対応策

(写真=janews/Shutterstock.com)
(写真=janews/Shutterstock.com)
様々な企業や組織で用いられているパフォーマンス評価(Performance Assessment)の目的は成長機会の特定や創出ですが、評価プロセスでストレスを感じるマネージャーや従業員も少なくありません。

ストレスの主な原因とともに、パフォーマンス評価でよくある盲点とその防止策について解説します。

パフォーマンス評価がストレスになる原因

多くの従業員が、パフォーマンス評価にストレスを感じる原因として「パフォーマンス評価の目的が分からない」「どのようなフィードバックを受けるか不安」「評価に一貫性や公平性が欠ける」などを挙げています。これらはすべて、パフォーマンス評価の不透明感に起因するものです。

「毎回同じことの繰り返し」「(評価する側から見た)一方的な評価」など、非生産的なプロセスや不公正さを指摘する声もあります。

部下と強い信頼関係を築くことを望んでいる上司にとっても、パフォーマンス評価は悩みの種です。公平で客観的な評価をしたつもりでも、評価される側がそう感じるとは限りません。このように、部下との人間関係にマイナスに作用するおそれもあるのです。

パフォーマンス評価でよくある8つの盲点と対策

1. 「無意識のバイアス」を自覚していない

評価は公平に行われるべきですが、客観的に評価しているつもりでも、先入観など潜在的なバイアスが、評価の偏りの原因となっていることがあります。

「バイアスを自覚する」ことは、無意識のバイアスを改善するための第一歩です。社内でも多様性を意識した環境作りを促進することで、無意識のバイアスの軽減に努めましょう。

2. 評価基準が不明瞭

評価基準が明確でないと、パフォーマンス評価のプロセスが効率的に進まないばかりか、評価の公平性や一貫性が損なわれます。

評価基準を評価される側である従業員にも明らかにしておくことは、「○○を頑張れば、○○という評価を得られる」というモチベーションを維持する上で、非常に重要です。

3. 不得意分野に焦点を当てる

特定の分野におけるパフォーマンスが優れない従業員が、その他の分野でも同様とは限りません。

従業員一人ひとりの功績や努力、長所・短所、得意分野・不得意分野などをしっかりと把握し、褒めるべきところは褒め、改善が必要な部分は具体的な改善策を提示するといった、ポジティブな取り組みが重要です。

4. コミュニケーションが乏しい

職場におけるコミュニケーション不足は、パフォーマンス評価にも悪影響を及ぼします。評価する側にとって、あまり接点のない従業員を評価することは容易ではありません。表面化しない努力や、目立たない功績を見落とす可能性もあります。

時間の許す限りコミュニケーションを取り、普段から従業員の仕事に対する姿勢や価値観を把握しておくことは、評価における「見落とし」の軽減に役立ちます。

5. 短期サイクルのパフォーマンスを評価する

「過去数ヵ月、あるいは数週間という短期間のパフォーマンスに焦点を当てる」「単一のプロジェクトにおける働きぶりだけを評価する」といった短期的な評価は、ネガティブなバイアスを生み出します。

半年、あるいは年間の総合的かつ長期的なパフォーマンスに目を向けることで、より公平な視点を持つことができるでしょう。

6. プロセスが非生産的

パフォーマンス評価が「必要以上に時間を浪費するわりに収穫が少ない」場合は、プロセスが効率的かつ効果的に構築されていない可能性があります。

評価が「儀式」にならないよう、組織全体でパフォーマンス評価のプロセスを見直し、従業員の職種やスキルに合った評価システムを構築しましょう。

7. 評価される側の声に耳を傾けない

評価する側にとって、各従業員の評価すべき点をすべて把握するのは、非常に骨の折れる仕事です。また、評価する側と評価される側が、同じ物事に対して異なる見解を持っていることがしばしばあります。これらのハードルを放置していると、やがて組織内にバイアスや摩擦が生まれてしまいます。

セルフアセスメント(Self-Assessment)システムやコミュニケーションの機会を設けるなどして、従業員の声にしっかりと耳を傾けることが重要です。

8. アクショナブルなプランがない

多くの従業員はスキルを向上することで、より高い報酬を得られる、より挑戦的なポジションを目指しています。しかし、パフォーマンス評価の比重が過去や現在に傾くと、専門スキルや能力を開発するためのアクショナブルなプランにつながらず、結果的に成長の機会を逃してしまいます。

各従業員の職業上の成長の機会を見極め、可能性を引き出す評価が、後に大きな成果をもたらすでしょう。

パフォーマンス評価を「成長の機会」につなげるキーワード

以上の8つの盲点から分かるように、従業員の能力とやる気を最大限に引きだすパフォーマンス評価には、以下のような重要キーワードがあります。

・ ポジティブ
・ 透明性
・ 公平性
・ 効率的
・ アクショナブル
・ コミュニケーション

組織の戦略や企業文化、従業員の年齢層などを配慮しつつ、効果的なパフォーマンス評価システムを構築しましょう。
 

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