2018.12.27
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人事評価

グローバル企業の人事は現地スタッフをどのように評価すべきか

(写真=Song_about_summer/Shutterstock.com)
(写真=Song_about_summer/Shutterstock.com)
グローバル企業が海外事業を成功させるためには、現地で採用した現地スタッフの育成が重要な課題となります。現地スタッフの育成の基準となるのが人事評価制度です。グローバル企業の人事は現地スタッフをどのように評価すべきなのでしょうか。

人事評価制度はグローバルと共通にすべきなのか?

グローバル企業では、日本国内だけにとどまらず、海外や複数の国との間で職務を遂行する人材がいます。また、グローバル企業では、現地に現在はどのような人材がいて、将来的にどんなポジションで勤務させるのかを検討できるような環境整備が必要です。

そのためには、日本本社と海外の現地法人の自律性を確保しながらも、グローバルで共通の人事評価制度を整備することが必要です。

グローバルに活躍することが期待される人材のキャリアパスは、現地スタッフも含め、さまざまなキャリアを経験できるようにしていくことも課題です。

また、グローバルな人材確保のためにも、人事評価制度をグローバルと共通にします。現代は、パソコンや光ファイバー、ワークフロー・ソフトウェアなどの発展により世界がフラット化しています。この世界においては個人が主役となり、同じく世界中の個人との戦いになっています。そのため世界中の企業はグローバルな人材を求めて、国境を越えた「人材争奪戦」が始まっているのです。

プロセスは別でも基準は同じでないといけない

グローバル企業の人事評価制度で大切なのは「透明性」「公正」「納得」の確保です。日本と現地法人で人事評価プロセスは別でも、この基準は同じでなくてはなりません。

基準を同じにするには、まず人事評価制度の「透明性」があります。評価は人がやることなので、評価者の主観の介在をできる限り抑えるためにも、評価の基準を明確化する必要があります。「公正」は、人事評価制度の評価基準はルールを守って公正に運用されなければなりません。「納得」の確保については、人事評価制度の評価基準は企業側も従業員側も納得できるものでなければなりません。

グローバル企業は、流動化が進む人材に対して、グローバルで統一基準の人事・人材戦略が求められます。その具体策として、グローバルで同一の人事評価基準の導入があるのです。

評価すべきは「ジョブ」「人」「パフォーマンス」

グローバルに活躍する人材として評価すべき要件には、「ジョブ」「人」「パフォーマンス」の3点があげられます。

「ジョブ」とは、グローバルで通用する仕事力や卓越した専門性を指します。グローバルで活躍する人材は、専門領域で卓越した力量を持っていて、多様性の中で成果をあげるプロフェッショナルな人です。

「人」とは、人間力を指します。グローバル企業が成功するには、異文化への理解や異文化コミュニケーションに立脚した、リーダーシップが取れる魅力あふれる人間力のある人材が必要です。

「パフォーマンス」とは、行動し成果を出すことです。さらに、何か問題が起こった時に問題を解決していくパフォーマンス・マネジメント力がある人材も評価すべきでしょう。

「ジョブ」「人」「パフォーマンス」のうち一つや二つを持っているのではなく、バランスよく持っている人材は重宝されます。そしてグローバル企業が成功するためには、この三つをバランスよく持っているリーダーが必要です。

グローバルで共通の人事評価でグローバル人材を育てる

グローバル企業は、グローバルで活躍する人材を育成し、確保していかなければなりません。そのためには、グローバルで共通の人事評価制度を確立して、グローバル人材を正当に評価するとともに、現地の人材マーケットをリサーチして、国や地域で競争力のある報酬水準を維持していくことも重要でしょう。

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