2019.5.31
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採用・育成

組織の未来を動かす「リーダーシップ・アジリティ」強化法

(画像=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
(画像=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
企業から政府機関、非営利団体まであらゆる組織により高いレベルの敏捷性が求められている近年、アジャイル化に取り組む企業が増えています。

複雑で急速に変化する状況で効果的な行動を起こす能力「リーダーシップ・アジリティ(Leadership agility)」は、アジャイル化を成功させる上で欠かせない要素です。

なぜリーダーシップ・アジリティが必要とされているのか

「アジリティ」は、変化する顧客の需要に迅速に適応できる敏捷性を表すために、1990年代に生まれた概念です。この概念は2000年代初頭にかけ、「急速に変化する状況を予測し対応すること」「複雑な相互依存関係を効果的に管理すること」という意味を含むようになりました。

今日の組織のリーダーは、「VUCA(変動・不確実性・複雑性・不透明性)」と称される時代の流れに対応し、新たなビジネス環境をリードする能力が必須です。こうした背景から、フォーブス誌が「次世代のリーダーを定義する要素」と称えたアジリティが、組織を成功に導くリーダーシップに欠かせない能力として注目を浴びています。

「どのようにすれば組織にポジティブな変化を促し、導いていくことができるのか」という重要な課題に自発的に取り組むことができる人材は、組織の成長を促す戦略的優先事項を特定する能力にも長けています。

優れたアジリティ・リーダーシップを発揮できる人の6つの共通点

優れたアジリティ・リーダーシップを発揮できるリーダー像とは、具体的にどのようなものなのでしょう。

25年にわたりリーダーシップについて研究を続けてきたボストンの組織開発企業チェンジ・ワイズ(Change Wise)の調査結果から、優れたリーダーシップ・アジリティを発揮できる人材に共通する特徴を挙げてみましょう。
  1. 社会が常に変化していること、今後も継続的に変化していることを理解し、柔軟性のある対応ができる
  2. 直面している課題を新たな角度から捉えると同時に、過去の憶測について再考できる
  3. 深い目的意識をもつ、創造的な思想家である
  4. 状況を複数の角度から分析し、一見異なるようにみえる問題の共通点を見いだすことで、新たな戦略的洞察を生みだす
  5. 行動範囲が広く、状況に合わせて迅速にリーダーシップを発揮できる
  6. 短期的・長期的な優先事項、トップダウン(組織の上層部が意思決定をし、その実行を下部組織に指示する管理方法)の方向性決定、個々のイニシアチブおよび強力なチームワークの促進に適切な注意を払う

アジリティ・リーダーシップ強化法

上の特徴を、リーダーシップ・アジリティの強化に役立てましょう。

国際ビジネス教育サービス企業センター・フォー・クリエイティブ・リーダーシップ(CCL)は「革新」「実行」「反映」「リスク」「防御」の5つの要素を、アジリティ強化のキーワードとして挙げています。効果的なアプローチは、意識改革から始まります。

新しいアイデアを追求する習慣をつける

常に情報のアンテナをめぐらせ、新しく得た情報から知識を吸収し、インスピレーションやアイデアを膨らます習慣を身につけましょう。視野が広がることで、状況を複数の角度から分析し、新たな戦略的洞察を生みだす能力が強化されます。

自分のキャパシティを理解し、広げる努力をする

自分のキャパシティ(許容量)や感情の動きを理解できていないと、限界を超えた時に「仕事を効率的に回せない」「チームがついてこない」といったネガティブな影響を引き起こします。「優秀なリーダー」が、すべてを完璧にこなせるわけではありません。
アジリティ・リーダーシップを発揮するためには、自分の限界を把握すると同時に日頃からキャパシティを広げる努力を怠らないことが重要です。

「単体」ではなく「アジャイルチーム」の育成に注力する

アジリティ・リーダーシップは単体のリーダーだけではなく、チームの能力と大きく関連しています。

チーム全体がアジャイルを意識し、弾力性と創造性をもって仕事に取り組める環境作りが組織にポジティブな変化をもたらすのです。リーダーが自らのアジリティを強化すると同時に、チームのアジリティ強化にも力を注ぐことで、最強のアジャイルチームが生まれます。

今後多くの企業がアジリティ・リーダーシップを組織文化の一部として育成・定着させる上で、リーダーを含む組織全体の意識改革と強化環境の整備が課題となるのではないでしょうか。

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